「大正レトロ 古い木製 食器棚」を買取させていただきました
大正レトロ 古い木製 食器棚
大正~昭和初期頃に制作されたと思われる、年代物の食器棚です。
経年を経た欅無垢材の木肌は味わい深い質感をたたえ、アールデコ様式の金具やカービングなど手の込んだ意匠を備えた古き良き時代の職人の手仕事による上質な書棚。ゼツェッションをベースとしたアールデコスタイルと和家具の独自な折衷様式は時代特有の強烈な個性を備えています。
アールデコとは、一般にアールヌーヴォーの時代に続き、ヨーロッパおよびアメリカ(ニューヨーク)を中心にして、1910年代半ばから1930年代にかけて流行しました。アールヌーヴォーは植物などを思わせる曲線を多用した有機的なデザインでしたが、アールデコは、幾何学図形をモチーフにした記号的表現や、原色による対比表現などに特徴があります。インテリア、家具にもアール・デコが用いられ、チャールズ・レニー・マッキントッシュや、フランク・ロイド・ライトのデザインもアールデコの流れに位置づけられることがあります。一方、日本でも大正末期から昭和初期の一時期、アールデコが流行。建築では東京都庭園美術館(旧・朝香宮邸)、伊勢丹新宿本店、山の上ホテル、大阪府庁舎、大丸心斎橋店、中之島公会堂などがあげられます。この当時、日本にも自動車が走り、ラジオや映画などが発達して、機械文明が人々の生活を大きく変えていく中で、都会のダンスホールで男女がジャスに合わせて踊り、銀座には最先端ファッションに身を包んだモダンボーイ、モダンガール、(モボ・モガ)が注目を集めます。また、この時代の空気を描いた画家・詩人の竹久夢ニは、懐古趣味と異国趣味あふれた美人画で人気を得ます。
ゼツェッション / ウィーン分離派
19世紀末から20世紀初期にかけて、ドイツ・オーストリア各地に興った建築・芸術革新運動のことをいう。過去の芸術様式やアカデミーなどの権威から分離して、生活や機能と結びついた新しい造形芸術の創造をめざした。イギリスのアーツ・アンド・クラフツや、それを受けて欧州一円に広まったアール・ヌーヴォーと同様の流れでありながら、装飾の方向性は全く異なり、後のアールデコやモダンデザインに至る幾何学を基調としたデザインと実用性に工芸的要素を備えている
欅(けやき)
国内の広葉樹の中で第一の良材として古くから建築材、家具材、建具材、造作材として幅広く用いられています。大変美しい明瞭な木目とうっすらと褐色を帯びた木肌が特徴。特に寺社建築に重用されたり、農家の大黒柱としても用いられており和家具の材料としては最高級の素材です。玉杢、牡丹杢、泡杢などの模様が現われることがあり大変希少価値の高い素材として珍重されています。
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