ポール・ケアホルム Poul Kjaerholm とは
ポール・ケアホルム(1929-1980)は、若くして才能を発揮した北欧デザイン界の鬼才といわれた人物。デンマーク北西部の田園地帯に誕生。家具職人としての修練を積み、すぐれた能力を発揮したケアホルムは18歳で家具職人の資格を認められ、1948年からは美術工芸学校でハンス・J・ウェグナーに師事。卒業後はフリッツ・ハンセン社、コペンハーゲン工芸学校夜間コースの講師、コペンハーゲン王立美術アカデミーで教鞭を執り、その間もエリック・ヘアロウ、パレ・スユエンソンの事務所に勤務し実務と後進の育成など、精力的に活動した。ウェグナーの事務所勤務時に知己を得た家具メーカー、アイヴァン・コル・クリステンセン社から発表した、1955年PK22、それに続くPKシリーズは国内外で高い評価を得た。1960年には第12回ミラノトリエンナーレにおいてデンマークパビリオンの展示デザインを担当し、1976年にコペンハーゲン王立美術アカデミー学長に就任した。主に金属素材を用い、シャープで直線的な洗練されたデザインでありながらもデンマークの工芸的な美意識を感じさせる他に類を見ない作風は独特であり、鋭く繊細なディティールは当時の世代のデザイナーたちの追随を許さず、まさに鬼才であった。現代においても熱狂的なファンからの支持を受け続けている。
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